あの日に戻れたら

hくん、あの日あの朝に戻れたら…私が仕事を休んでいたら…
そしてhの内に秘めた思いを知ることができたなら…


「もう、大丈夫だよ。大丈夫、大丈夫、変なこと考えないって!」という満面の笑みを少しでも疑っていたら…


そしてあの日、仕事を早退してhくんが意を決して行動に移した直後に帰宅して
未遂に終わっていたら…


今も一緒に生きていてくれたかな。



去年冬、私の元にきてくれて一緒に生活した日々はとても幸せだったよ。
hの友達から子猫ちゃん2匹譲ってもらって、一生懸命育ててくれて、
私が疲れていると、洗濯掃除してくれて、仕事の愚痴を聞いてくれたり、友達との笑い話を聞かせてくれたり、
質素な生活だったけれど一緒に食べるご飯は何倍もおいしく感じたよ。
ぬか漬けも毎日よく飽きずに食べてくれて。


バイト先でも仲間ができて、飲みにいったりするようになってきて。
3日前には中学時代からの友達3人遊びに来て、楽しかった話を聞かせてくれて。
2日前にはm(長男)が遊びに来てご飯一緒に食べて。


純粋な笑顔と明るい声…
その裏に、深い悩みをまだ抱えていることがわからなかった。


私の元に来た頃、悩みを打ち明けてくれたときに、
少々強引にでも病院につれていくことをしてあげたらよかった。
hが嫌がってもつれていくべきだった。


本当にごめん。最低な母親だ。
息子の危機を察知できなかった最低な母親。
20歳になってまだ3か月。
離婚して4年が過ぎた夏。
幼いころから、本当に可愛かった。
強く優しい。友達も多かった。彼女もいた。みんなから愛されていた。
さりげない優しさを与えてくれる子だった。
誰にも言ったことはないけれど、本当に自慢の息子だった。私のすべてだった。


今はお互い違う処にいるけれど、いつか、、あと何年かかるかわからないけれど
迎えにきてね。h!