初めての涙

hくんがあの世に逝ってしまった8月19日から
もうすぐ5か月経とうとしているが、元主人の涙を見たことがなかった。
私が長男に連絡して、うちに駆けつけて救急隊員の制止を抜けて、
次男の最後の姿を見たときに大きな泣き声を聞いたが、それ以来涙を見せなかった。


我慢しているのだ、とわかってはいた。


hくんも迎えるはずだった成人式の夜、hの親友ほか友人4人が我が家のhの元へ来てくれてお線香をあげ、友人5人とママ友、私たちの9人で狭い部屋で飲んで食べてhの思い出話や、hがまだ元気でいるかのような雰囲気で深夜まで騒いだ。
元主人は一足お先に就寝した。


そして今日、長男は自身の友人4人と飲み会に出かけたので、元夫婦ふたりきりとなり、hの話になったときに、
「昨日、寝たときに…」と言いかけて、元主人が泣き出した。


「昨日、寝たときに、腹のあたりがモヤモヤっときて、金縛りみたいになって、
hが現れて、”父ちゃん、ごめん"って。いつもの笑顔で”ごめん”って言ったんだよ。」


と涙を流した。


普段、そういう霊の話をしたことがない、hを失うまで、そういう霊のような話を信じなかった元主人が真剣に泣きながら言った。


わたしも一緒に涙を流したのだが、”ああ、やっぱりhはそばにいるんだ”と思った。


おとといあたりから、ソファにもたれていると、だれもいない、猫も来ていないのに、ソファに何かの圧力がかかっているのを感じることがよくある。


相変わらず、私が悲しくてどうしようもないときには、hがかわいがっていた猫たちが寄ってきて、エサでもなく、”かまって”でもなく、ニャーニャーと小さな声で泣きながら私の元へやってくる。
まるで「そんなに悲しまないで!わたしたち(メス猫)もそばにいるよ!」と言わんばかりに。


そばにいてくれてるんだよね、h。